マラリアの話

こんにちは。つつみクリニック　上野院長の山崎です。

コロナ禍で海外旅行が遠のいていますが、コロナ禍以前は東南アジアも人気の旅行先でした。
いずれコロナが収束すれば東南アジア旅行も自由に行けるようになるでしょう。

ただ、東南アジアやインド、アフリカ、中米旅行で障害となるのは蚊の存在です。
蚊は人を最も殺す動物です。
ちなみに２位はヒト、３位はヘビ、４位はイヌです。
でもこの順位、ヘビは分かりますが、それ以外は疑問を持ちませんか？ヒトは戦争で人を殺し、イヌは発展途上国では狂犬病をもたらすのがその要因です。

では、蚊は？

なぜ１位が蚊であるかというと、蚊がマラリアやデング熱を媒介するからです。
マラリアは治療薬はもちろんワクチンや予防薬もあるのですが、ワクチンの効果は極めて低く完成しているとは言えない状況です。
予防薬は保険も効かないので高いのです。最もコストパフォーマンスが高いのは、実は虫よけスプレーです。ただ…

このマラリア、血液型がO型の人は重症化しにくいのです。占いではありません。医学研究の賜物です。
人類初の血液型はA型ですが、マラリア流行地の東南アジアや中央アフリカはO型の人が増えたのです（南米にO型が多いのは別の理由です）。

しかし、蚊に刺されやすいのもO型というのを聞いたことはありませんか？実はそういう研究結果が多く、
実際に蚊の研究家はそれが事実であることを前提に研究を行っていたりします。
ちなみに、某医科大学の寄生虫学教室における蚊の採取方法は、O型の大学院生を体育座りさせて、その頭上で網で蚊をすくうというやり方です。

つまり、O型の人は蚊に刺されやすいけど、マラリアは重症化しにくいということです。

ちなみにデング熱はAB型の人が重症化しやすいです。ジカ熱はこうしたデータは今のところありません。


ただ、転ばぬ先の杖。
だんだんと蚊が増えるこの季節、どの血液型の人も虫よけスプレーを購入して蚊の対策をするに越したことはないですね。
虫よけにはイカリジンとディートという二種類がありますが、匂いがきつく赤ちゃんには使えず衣服も溶かしてしまうけど安価なディート、
高価だけど安全性の高いイカリジンとを使い分けて購入することをお勧めします。